花粉症

2021/02/08

先週末頃から症状のある患者さんが増えてきました。診察でお話をしていると「天気予報では花粉のことは何も言っていないのにどうして?」と聞かれることも多いです。これにはスギ花粉飛散の定義が関係しています。観測地点で『1平方センチメートルあたり1個以上の花粉が2日以上連続で観測された日』と決まっています。飛散量が多い日があっても2日連続しなければ発表されません。志木市近くにある国の観測地点はさいたま市役所です。環境省花粉観測システム(はなこさん) (taiki.go.jp)から見ることができます。

花粉症の一番の治療は原因(花粉)を体の中(鼻・のど・目)に入れないことです。マスクや花粉症用の眼鏡で粘膜への侵入を防ぐことが大事です。寒い日にはニットやフリースを着ることもあると思いますが、こういった素材には花粉が付着しやすいのでナイロン地のアウターを羽織る方がよいでしょう。これは花粉症に限らずアレルギー性鼻炎すべてに当てはまることです。

とは言っても薬を飲まないとつらい方もいらっしゃると思います。花粉症の治療で一番使われることの多いのはヒスタミンという物質の働きを抑える薬です。ヒスタミンが受容体にくっつくとくしゃみや鼻水、かゆみが出ます。ヒスタミンが受容体と結合するのを防ぐのが『抗ヒスタミン薬』です。『抗ヒスタミン薬』にはある程度の即効性がありますが、長期的に使用することで受容体自体を働きにくい不活性型に変えることが分かってきました。このことから花粉症の薬は長く続けることで効果が強くなると言われています。

花粉症の治療はくしゃみ・鼻水を抑える『抗ヒスタミン薬』、鼻詰まりを抑える『抗ロイコトリエン薬』、これらの飲み薬に加えて『点鼻薬』『点眼薬』を組み合わせて行います。症状を聞くだけでなく鼻やのどを診察して治療できるのが耳鼻咽喉科です。お困りの方はご相談ください。